
第二回目は『ソケットリフト法とサイナスリフト法』
治療の目的はどちらも、上顎の骨の厚みが薄いから上顎洞(サイナス)に骨移植するということ。
では違うところは?
比較の為、各治療内容を下記します。
ソケットリフト法
・骨の厚み最低3mm以上
・一歯程度などの小さい範囲
の状態でソケットリフト法は行われる。
歯の生えていた部分(抜歯時はその穴)から骨移植の手術をする。歯槽骨の厚みを1mm程度残して穴を開け、マレット(ハンマー)で歯槽骨及びシュナイダー膜(上顎洞粘膜)を押し上げる為、ソケットリフト法と呼ばれる。
ある程度の厚みがあるのが前提の為、骨移植と同時にインプラント埋入が行われる。
治療期間があまり長引かないこと、範囲が小さめなのでサイナスリフトと比べると体への侵襲度(負担)も少なく済む
【 治 療 の 流 れ 】
①抜歯後(ブリッジになったポンティック部)骨吸収が進行

②歯槽骨の厚みを1mm程度残して穴を開ける。
(図はブリッジのポンティック部分を切り、インプラント埋入を予定している)

③穴からマレット(ハンマーのような物)で歯槽骨及び
シュナイダー膜(上顎洞粘膜)を押し上げる。
この為ソケットリフト法と呼ばれる。

④骨移植と同時にインプラントを埋入。
この状態で骨が定着するまで3ヶ月ほど置いてから上部構造を装着する。

サイナスリフト法
・骨の厚みが3~5mm以下
・多数の歯が欠損している(広範囲にわたる)
状態で、サイナスリフト法が行われる。
範囲が広い為、側面から歯槽骨に窓を開けて移植骨を入れる手術となる。
骨が薄くインプラントの固定が難しい為、骨移植と同時にインプラント埋入は行わない。骨移植後3~6ヶ月待ち、移植骨が安定してからインプラント埋入。
上記の理由から治療期間がソケットリフトよりも長くなる
【 治 療 の 流 れ 】
①広範囲にわたって、抜歯され骨吸収が進行した状態

②上顎側面の歯肉を切開し骨面を露出させる。
10~30mm程の窓を歯槽骨にあけるとシュナイダー膜が露出する。歯槽骨からシュナイダー膜を剥がしてスペースを作る。

③先程の窓から移植骨を入れる。
この状態で3ヶ月以上骨が安定するのを待つ。

④骨が定着したらインプラント埋入。
その後、様子を見ながら最終的に上部構造を装着。

こうして比較してみると、同じ上顎骨の骨量を増やす骨移植でも、範囲によって治療方法が違うことがわかりますね!
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